犬のライフステージやサイズに応じたケアをしましょう
11月1日は、“わん・わん・わん”とよめることから、犬の日です。飼い主様にとって、一緒に暮らすワンちゃんは特別な存在です。大切な友達というだけでなく、勇敢な盲導犬や救助犬となる犬もいます。どんなに困難な状況にあっても、ワンちゃんは私たちに喜びや癒し、そして時に無償ともいえる愛をもたらしてくれます。そんな大切な友達が常に健康でいられるために、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?
本内容は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム本社が公表している情報をもとに、日本における法規制、アニマルヘルス環境、ペットの医療および飼育の状況に即して記載しています。海外の状況に応じた内容は、英語のオリジナルをご覧ください。
犬のライフステージの分け方は、どの犬でも同じ、というわけではありません。実は成犬時の身体のサイズ(犬種)によって、「幼犬」、「成犬」、「シニア犬」の時期は変わってくるのです。まずは、身体の大きさによってどのように分けられるか、見てみましょう。日本では、一般に以下のように分類されます。
超小型犬:5㎏未満
小型犬:10㎏未満
中型犬:10-25㎏未満
大型犬:20-40㎏
超大型犬:40kg~
体のサイズによって、犬のライフステージの考え方も異なります。これから、体のサイズに応じたライフステージや、必要なケアを見ていきましょう。
もちろん個体による違いもあります。先ほどご紹介した分け方は、おおよその判断基準にはなりますが、個々の犬の健康状態や犬種によって異なる場合もあります。あなたのワンちゃんがどの区分に当てはまるかは、獣医さんにご相談してみるのが安心です。
ライフステージと身体の大きさの関係
まず、身体の大きさがライフステージにどう関係してくるのかを理解しておくことが大切です。それによって、愛犬のニーズと成長段階に合ったヘルスケアプランを立てることができます。特に予防ケアに関しては大きな違いがあることも覚えておきましょう。
犬のライフステージは、身体面と行動面での成熟度や年齢から、「子犬」、「成犬」、「シニア犬」の3段階に分けることができます1。では、身体の大きさによって犬がいつ頃どのライフステージに入るのか、そしてそれらが犬のヘルスケアにどのように関係してくるのでしょうか。
子犬からシニア犬まで、予防に関する注意点
「Puppy 子犬」:小型犬の場合は生後6カ月、それ以上の大きさの犬の場合は1年の急成長期が子犬期に当たります。この時期には、以下の点について獣医に相談しましょう。
子犬期は、犬が行動面や社会面での発達において極めて重要な時期です。不適切な行動があってもこの時期であれば比較的容易に直すことができます。口腔、歯、耳、爪のチェックや処置受けやすくする方法や、歯磨きの練習方法などを動物病院で聞いてみましょう。
また、決められた時期にワクチンを接種し、寄生虫対策を行うことも非常に重要です。獣医さんに相談し、愛犬に合ったワクチン接種・寄生虫対策プランを確認しましょう。
「Adult 成犬」 :この時期に入ったら、以下の点について獣医さんに相談しましょう。
犬は何歳になっても学習します。愛犬と共に楽しみながら日々の生活の中でトレーニングを継続し、社会性を身に付けるようにしましょう。これは犬にとっても、飼い主様にとっても楽しいことです。
「Senior シニア犬」:この時期に入ったら、健康に一層注意しなければなりません。以下の点について、獣医さんに相談しましょう。
シニア犬の場合、定期健診による疾患の早期発見が特に重要です。それによって、病気や体調の変化の多くをコントロールすることができ、結果として生活の質と寿命を維持することができます。
定期検診は、シニア期に入ってからではなく、シニア期を迎える前から行い、シニア期の検査値の比較対象を作っておきましょう。それが疾患の早期発見につながります。
常に愛犬を見守ること
どの時期にも、その時期特有の課題や問題がありますが、それらに対処することが、飼い主様にとっての喜びや大事な思い出となるものです。ワンちゃんの健康上のニーズは、時とともに変化します。大事な愛犬の健康に常に気を配り、予防に努めましょう。
参照:
1 Adapted from: AAHA Canine Life Stage Guidelines 2019