ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン 牛用ワクチン「ボベラ®」を日本全国で発売
牛ウイルス性下痢(BVD)生ワクチンとして日本で初めて
妊娠牛にも投与でき、持続感染(PI)牛の出生を予防※1
- 1年に1回の投与で、母牛から胎子への垂直感染を防止※1
- 妊娠牛を含む3ヵ月齢以上の牛に使用可能
- 世界で累計2200万ドーズ超の実績※2、EU諸国でBVD清浄化に寄与
報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。
2023年11月20日 日本/東京
ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:長谷部裕之)は、11月20日より、牛ウイルス性下痢ウイルス(Npro及びErns遺伝子欠損1型・2型)生ワクチン「ボベラ®」の全国展開を開始しました。ボベラ®は、1年に1回の投与でBVDウイルス感染による臨床症状を軽減し、白血球減少を抑制します。また、母牛から胎子への垂直感染を防止し、PI牛出生を予防できる、日本で唯一のBVD(1型・2型)生ワクチンです。既存のBVD生ワクチンはPI牛の産出や流産を引き起こすため妊娠牛には投与できません。ボベラ®は、妊娠牛にも安全に使用できる日本初のBVD生ワクチンで、年1回の一斉接種により牛群全体の免疫維持が可能です。これにより簡便かつ優れたBVD対策を実施することができます。
BVDは、BVDウイルスの感染によって発生します。感染すると、発熱・下痢、呼吸器症状がみられるほか、妊娠牛では流産、産子の異常など繁殖障害を引き起こす疾病※3で、家畜伝染病予防法で届出伝染病に指定されています。急性感染牛では症状は一過性で回復し致死率は低い(5~10%)※4ですが、妊娠18日-125日※3の母牛が感染すると、胎子はウイルスを生涯排泄しつづける持続感染(PI)牛となって産出されます。PI牛の最大の問題は、牛群内に潜み大量のウイルスを排泄し続けることで、発育不良や繁殖障害などにより牛群全体の生産性を大きく低下させるとともに新たなPI牛を産み出す感染源となることです。PI牛の治療法はないため、早期に発見し淘汰することが推奨されます。BVD対策には、PI牛の摘発・淘汰に加え、PI牛を農場内に持ち込まないこと、適切なワクチネーションにより新たなPI牛を生み出さないことが非常に重要です。
BVDウイルスは、インターフェロン誘導を抑制することで宿主の自然免疫を抑制し、宿主体内で効率的に増殖します。BVDウイルスにおいてその病原性に重要なNpro及びErns遺伝子をピンポイントで欠損させる、当社独自の2重欠損技術によりウイルスを高度に弱毒化し、ワクチン化したのがボベラ®です。Npro及びErns遺伝子を欠損させることにより、インターフェロン誘導の抑制(免疫抑制)が生じないため、妊娠の有無にかかわらず安全に使用することが可能で、PI牛を予防する確かな効果が示されています。
ベーリンガーインゲルハイムは2015年に欧州でボベラ®を上市して以来、これまでに世界20か国以上において合計2,200万ドーズ以上※2の販売実績と信頼を築いてきました。ドイツでは、2015年のボベラ®の上市後、国を挙げてのBVD清浄化プログラムにおいて、ボベラ®は重要なツールのひとつとして大きく貢献し、現在BVDの清浄化を目前にしています。
ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン 代表取締役社長の長谷部裕之は、「ボベラ®は、妊娠牛にも投与が可能で、PI牛を確実に予防できる日本初のBVD生ワクチンです。すでに市場導入されている欧州において、ボベラ®はBVD清浄化に貢献しており、この革新的なワクチンを日本でもお届けできることを大変嬉しく思います。今後も、健康で安全な牛の育成と、日本の養牛産業の関係者の方々や獣医師の先生方をさらにご支援してまいります」と述べています。
※1 承認申請資料
※2 社内資料 2023年データ
※3 農林水産省 牛ウイルス性下痢・粘膜病に関する防疫ガイドライン https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/pdf/bvd_md_gl.pdf
※4 農林水産省 牛ウイルス性下痢に関する情報 https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/bvd_md.html
製品の概要
【販売名】
ボベラ®
牛ウイルス性下痢ウイルス(Npro及びErns遺伝子欠損1型・2型)生ワクチン
【成分】
Npro及びErns遺伝子欠損牛ウイルス性下痢ウイルス1型ddBVD Tub1株(シード)
Npro及びErns遺伝子欠損牛ウイルス性下痢ウイルス2型ddBVD Tub2株(シード)
【効能又は効果】
牛ウイルス性下痢ウイルス感染による臨床症状の軽減及び白血球減少の抑制並びに胎子への垂直感染の防止
【用法及び用量】
乾燥ワクチンに添付の溶解用液を加えて溶解し、その2mLを3ヵ月齢以上の牛の筋肉内に注射する。1年後に再注射することが推奨される。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、世代を超えて生活を変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出を目指しています。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的かつサステナブルな視点を維持しています。ヒト用医療用医薬品とアニマルヘルスの2つの事業分野において、53,000人以上の社員が世界130ヵ国以上で事業を展開しています。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com/2022/
(アニュアルレポート 英語)