新たな解析結果により、ニンテダニブのSSc-ILD患者における長期の安全性が報告された1

和訳リリース,
  • 中間解析結果により、長期の安全性が示され、SSc-ILD患者の肺機能低下の抑制に対するニンテダニブの持続的効果を示唆1
  • ニンテダニブの安全性および有効性プロファイルは、第3相試験(SENSCIS®試験)と一致1

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が11月5日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

2020年11月5日 ドイツ/インゲルハイム
ベーリンガーインゲルハイムは、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)患者を対象にニンテダニブエタンスルホン酸塩(以下ニンテダニブ)を評価するSENSCIS®-ON試験の中間解析結果を発表しました。この新たな解析は、ACR Convergence 2020の一部としてオンラインで発表されました。

SENSCIS®-ON試験は、第3相SENSCIS®試験を完了したSSc-ILD患者を対象に、ニンテダニブの長期の安全性を評価するオープンラベルの延長試験です。本試験は、52週間の肺機能評価として、努力肺活量(FVC)のベースラインからの絶対変化量及び相対変化率を評価するものです1,2

中間解析によると、SENSCIS®-ON試験におけるニンテダニブの安全性プロファイルは、52週間にわたるSENSCIS®試験で報告された内容と一致し、最も多く報告された有害事象は下痢でした1。延長試験に参加してニンテダニブの投与を受けた患者347人において、SENSCIS®試験の患者と同様に、52週間にわたってFVCが減少しました1。ニンテダニブが投与されたすべての患者における52週時のFVCのベースラインからの平均変化量は、SENSCIS®-ON試験で−51.3 mL、SENSCIS®試験で−42.7 mLでした1

ベーリンガーインゲルハイムの呼吸器疾患領域の副責任者であるDr. Susanne Stowasserは、次のように述べています。「ベーリンガーインゲルハイムは、臨床医が自信を持ってSSc-ILD患者さんを治療できるよう、科学的データの提供に継続的に取り組んでいます。SSc-ILD患者さんにおいて、ニンテダニブが一貫した安全性プロファイルを示し、肺機能低下を遅らせる持続的効果を示唆する新たなデータを発表することができ、嬉しく思います」

全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)について
全身性強皮症(SSc)は、全身の結合組織の硬化病変を特徴とする希少な自己免疫疾患です3。米国で10万人、全世界で250万人がこの疾患を罹患していると推定されます4。この疾患の特徴である線維化は、皮膚と内臓(肺など)に影響を及ぼします3。この疾患の最も多い発現形態の1つである間質性肺疾患(ILD)は、生命予後に影響するものです3。診断から3年以内に、患者の約25%が重度の肺病変を発症します5。ILDは、全身性強皮症患者の主な死亡原因です6

ニンテダニブについて
ニンテダニブは、肺の線維化につながるシグナル伝達経路を含む重要な受容体を標的とするチロシンキナーゼ阻害剤です7。肺機能の低下を特徴とする慢性かつ致死的な疾患である特発性肺線維症(IPF)の治療薬として、80か国以上で承認されています。 80,000人以上のIPF患者さんがニンテダニブによる治療を受けたと推定されており、国際的なガイドラインによってIPF患者への使用が推奨されています8

2019年9月、ニンテダニブは、全身性強皮症を伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)患者の肺機能低下を抑制する最初で唯一の治療薬として米国で承認されました。 世界各国の主要規制当局にも申請を行い、これまでに、EU、ブラジル、カナダ、日本を含む50を超える地域で承認されました10

ニンテダニブは現在、40を超える地域で進行性のフェノタイプ示す線維化を伴う間質性肺疾患(other chronic fibrosing interstitial lung diseases with a progressive phenotype)の治療薬として承認されています11

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムの中核をなすのは、人と動物のためにより良い医薬品をお届けすることであり、生活を変える画期的な医薬品や治療法を開発していくことが当社の使命です。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。将来のヘルスケアにおける課題を見据え、ベーリンガーインゲルハイムが最大限の力を発揮できる分野で貢献できるよう、長期的な視点をもって邁進していきます。

ベーリンガーインゲルハイムは、世界有数の研究開発主導型の製薬企業として、51,000人以上の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。2019年度、ベーリンガーインゲルハイムは約190億ユーロの純売上高を達成しました。研究開発に約35億ユーロを投じてイノベーションに注力し、生命を救いクオリティオブライフ(生活の質)を向上させる新しい医薬品の創出に注力しています。

ベーリンガーインゲルハイムはパートナーシップを重視し、ライフサイエンス分野における多様な知見を活かして科学的な可能性を広げていきます。様々な協働を通じて、現在そして未来の患者さんの生活を変えるような画期的な治療法を提供していきます。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

References

  1. Allanore Y, Vonk M, Azuma A, Mayes M, Gahlemann M, James A, Kohlbrenner V, Stowasser S, Highland K. Continued Treatment with Nintedanib in Patients with Systemic Sclerosis-Associated Interstitial Lung Disease (SSc-ILD): Interim Analysis of SENSCIS-ON [abstract]. Arthritis Rheumatol. 2020; 72 (suppl 10).
  2. A Trial to Evaluate the Safety of Long Term Treatment With Nintedanib in Patients With Scleroderma Related Lung Fibrosis. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03313180. Last accessed: November 2020
  3. Cottin V, Hirani NA, Hotchkin DL, et al. Presentation, diagnosis and clinical course of the spectrum of progressive-fibrosing interstitial lung diseases. Eur Respir Rev 2018;27(150):pii:180076.
  4. Scleroderma. www.rheumatology.org. Published March 2017. Accessed October 30, 2020. https://www.rheumatology.org/I-Am-A/Patient-Caregiver/Diseases-Conditions/Scleroderma
  5. McNearney TA, Reveille JD, Fischbach M, et al. Pulmonary involvement in systemic sclerosis: associations with genetic, serologic, sociodemographic, and behavioral factors. Arthritis Rheum. 2007;57(2):318-326. doi:10.1002/art.22532
  6. Tyndall AJ et al. Causes and risk factors for death in systemic sclerosis: a study from the EULAR Scleroderma Trials and Research (EUSTAR) database. Ann Rheum Dis. 2010 Oct;69(10):1809-15. doi: 10.1136/ard.2009.114264.
  7. European Summary of Product Characteristics Ofev®, July 13, 2020. Data on file.
  8. Raghu G, et al. An Official ATS/ERS/JRS/ALAT Clinical Practice Guidelines: Treatment of Idiopathic Pulmonary Fibrosis: Executive Summary. Am J Respir Crit Care Med. 2015; 192(2)238 – 248.
  9. U.S. Food and Drug Administration news release. FDA approves first treatment for patients with rare type of lung disease. Available at https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-treatment-patients-rare-type-lung-disease. Last accessed June 2020.

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