ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン                オンセプト®メラノーマ新発売、初の犬の腫瘍に対するDNAワクチン

日本/東京,
  • 外科手術後の適切な投与1により、ステージⅡ又はⅢの口腔内メラノーマの犬の生存期間の延長を期待できる2
  • 専門医3が投与、有効な治療方法が確立されていない口腔内メラノーマの治療に対し新しい可能性を拓く
報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。
 
2024年4月1日 日本/東京
ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:西見 泰浩)は、犬の口腔内メラノーマに対するDNAワクチン「オンセプト🄬メラノーマ」を3月後半より発売いたしました。オンセプト🄬メラノーマは、ヒトチロシナーゼDNAをコードしたpINGプラスミド(pINGhT)を主剤とし、腫瘍を適切に外科切除された※1ステージⅡ又はⅢの口腔内メラノーマの犬に、専用の針無し注射器ベットジェット🄬を用いて経皮的に筋肉内に投与することで、生存期間延長が期待できます。
 
オンセプト🄬メラノーマは、動物用再生医療等製品として条件及び期限付き製造販売承認を得た、日本で初めてかつ唯一の犬の腫瘍に対するDNAワクチンです。オンセプト🄬メラノーマは、口腔内メラノーマの適切な診断・外科的切除手術・管理・処置・投与が執り行われて初めて効果が発揮されることから、専門の医療機関※3を通じて展開いたします。
 
犬のメラノーマは、成犬において世界中で認められる最も一般的な口腔内腫瘍です※4。しかし犬の口腔内メラノーマは、急速に進行する転移性の高い腫瘍です。外科手術、放射線療法、化学療法がありますが、予後が悪く、多くが死の転帰を迎えるといわれており、有効な治療法が確立されていません。そのため、新しい選択肢となる治療方法が強く望まれてきました。オンセプト🄬メラノーマは、既存の治療法に加え、生存期間の延長を期待できうる新たな補助療法オプションの可能性を提供するものです。
 
多くの腫瘍における課題は、宿主が腫瘍を異物として認識しないため、腫瘍産生細胞から生体を防御するための免疫系のしくみが活性化されないことです。イヌチロシナーゼは、正常な犬の皮膚のメラノサイト表面に発現するタンパク質で、悪性腫瘍では過剰に発現します。しかし、自己抗原に対しては免疫反応が刺激されないため、異なる動物種由来のDNAから生産されるタンパク質を使用し、DNAワクチンとしたのがオンセプト🄬メラノーマです。ヒトの皮膚のメラノサイト表面に発現するヒトチロシナーゼの遺伝子配列をコードするプラスミドDNAを使用して生成されたオンセプト🄬メラノーマは犬に投与されると、プラスミドDNAが宿主細胞に取り込まれ、ヒトチロシナーゼタンパク質は宿主内で転写され、免疫細胞に発現します。ヒトと犬のチロシナーゼには相同性があるため、ヒトチロシナーゼに対する免疫反応はイヌチロシナーゼに対して交差反応し、腫瘍性メラノサイトを排除します。
 
ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン 代表取締役社長の西見 泰浩は、「オーナーさんにとって犬は大事な家族の一員であり、口腔内メラノーマの治療を続けながら、少しでも長く寄り添って一緒にいたいという気持ちは切実です。外科手術、放射線療法、化学療法という従来の治療オプションに加えて、新たにオンセプト🄬メラノーマという補助治療オプションを日本でも犬オーナーさんや獣医師の方々にご提供できることを大変うれしく思います。ペットと人の健康と生活の質の向上に、イノベーションを通じて寄与してまいります」と述べています。
 
なお、国内の臨床試験において被験薬の有効性を実証するために十分な症例数を確保できていなかったことから、条件つき承認となっており、市販後も製造販売後臨床試験を実施いたします。
 
また、オンセプト🄬メラノーマの専用投与器である針なし注射器「ベットジェット🄬」も製造販売承認(動物用管理医療機器)を取得し、併せて発売いたします。
 
 
※1 原発巣切除後の局所病巣が管理された(切除創遺残病変への放射線照射、並びに所属リンパ節への転移陰性、又は所属リンパ節が陽性である場合には切除又は放射線照射された)ステージII又はIIIの口腔内メラノーマの犬
※2  承認申請資料
※3 以下の3つのいずれか。1)一般社団法人 日本獣医がん臨床グループ研究グループ/JVCOGに所属する獣医師が在籍する動物病院 2)日本獣医がん学会獣医腫瘍科医I種が所属する動物病院 3)獣医系大学の動物病院 
※4 Bergman PJ, Wolchok JD. Of mice and men (and dogs): development of a xenogeneic DNA vaccine for canine oral malignant melanoma. Cancer Therapy. 2008;6:817-826.
 
オンセプト® メラノーマのパッケージ画像

 

製品の概要
【販売名】
オンセプト🄬メラノーマ
 
【成分および分量】
1 バイアル(0.4 mL)中
ヒトチロシナーゼ遺伝子挿入pINGプラスミドDNA(スーパーコイルプラスミドとして)   92.7 μg 以上
 
【効能又は効果】
原発巣切除後の局所病巣が管理された(切除創遺残病変への放射線照射、並びに所属リンパ節への転移陰性、又は所属リンパ節が陽性である場合には切除又は放射線照射された)ステージII又はIIIの口腔内メラノーマの犬における生存期間の延長
 
【用法及び用量】
1 回0.4mLを、針なし注射器ベットジェットを用いて、犬の大腿部内側中央部で大腿骨上を避けた尾側寄りの筋肉内に投与する。初回免疫は2週間隔で4回、補強免疫は6ヵ月間隔で行う。
 
 
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、世代を超えて生活を変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出を目指しています。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的かつサステナブルな視点を維持しています。ヒト用医療用医薬品とアニマルヘルスの2つの事業分野において、53,000人以上の社員が世界130ヵ国以上で事業を展開しています。
 
詳細は、下記をご参照ください。
(ベーリンガーインゲルハイム)
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
(アニュアルレポート 英語)







 

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