ベーリンガーインゲルハイムとGubra社、 肥満治療のための革新的なペプチドを特定、検証するために提携

和訳リリース,
  • 今回の研究協定では、ベーリンガーインゲルハイムとGubra社の良好な関係を元に、肥満治療のファーストインクラスとなる可能性を秘めたアプローチを目指すベーリンガーインゲルハイムの研究を強化
  • 肥満は、複雑な循環器代謝疾患であり、世界的に有病率が上昇しているものの、その治療法は限られており、十分な有効性がないか、有害事象と関連している

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が3月1日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

2021年3月1日 ドイツ・インゲルハイムおよびデンマーク・ヘルスホルム
ベーリンガーインゲルハイムとGubra社は本日、肥満治療を標的とした革新的なペプチド化合物の特定及び検証することに焦点をあてた新たな研究・ライセンス契約の締結を発表しました。この新たな提携では、Gubra社との従来のパートナーシップで築いてきた良好な実績を元に、Gubra社独自のstreaMLineプラットフォーム及び肥満領域の専門性とベーリンガーインゲルハイムのペプチド化学で培ったリード化合物の最適化と臨床開発の専門性を融合することが可能となります。両社は、現在の治療法よりも大幅な体重減少をサポートする、忍容性を高めた新しい肥満治療薬を提供するという目標を共有しています。

ベーリンガーインゲルハイムのシニアバイスプレジデント兼循環器代謝領域研究グローバル責任者のSøren Tullin(Ph.D.)は、次のように述べています。「今回は、ベーリンガーインゲルハイムとGubra社による2017年以来3つ目の共同研究プログラムです。Gubra社との確立された協力関係と実績を強化して、次世代の抗肥満治療薬を発見できることを嬉しく思います。この最新の研究協力によって、ベーリンガーインゲルハイムの循環器代謝領域のポートフォリオのさらなる拡充を図ります。私たちは、肥満領域におけるリーディングカンパニーとなり、高いアンメットニーズを抱える患者さんに新たな治療法を提供することを目指します」

肥満は、長期的な管理が必要となる複雑な慢性病であり、心疾患、虚血性脳卒中、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含む肝疾患、2型糖尿病などの複数の循環器代謝疾患や、多くのがんの主なリスク因子に含まれます1。世界的な肥満の有病率は、過去10年間に劇的に上昇しており、1975年から2016年までの期間に3倍近くに増加し2、今日では、世界で6億5,000万人の成人に及んでいます。2030年までに、米国人口の半数近くが肥満になると予測されています3。現在の治療法は、体重減少という点で有効性が限定され、有害事象と関連している場合があります。

Gubra社CEOのHenrik Blou氏は、次のように述べています。「この度、ベーリンガーインゲルハイムと3つ目の提携を開始することができ、たいへん嬉しく思います。過去4年間、両社は、創薬に関して強固な関係を築いてきました。この3つ目の提携において、Gubra社は、独自の標的・創薬プラットフォームのstreaMLineを活用し、初期段階でのペプチドの探索を担当します。初期の研究の後、プロジェクトは、さらなる開発のためにベーリンガーインゲルハイムに引き継がれます。このアプローチにより、世界中の患者さんのために、肥満治療薬を次のレベルに引き上げられる可能性があると考えています」

契約条件に従い、Gubra社は、主に初期段階の研究活動を担当します。ベーリンガーインゲルハイムは、さらにプログラムを推進し、有望な候補を非臨床・臨床開発段階へと進めます。新契約の財務条件は開示していません。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムの中核をなすのは、人と動物のためにより良い医薬品をお届けすることであり、生活を変える画期的な医薬品や治療法を開発していくことが当社の使命です。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。将来のヘルスケアにおける課題を見据え、ベーリンガーインゲルハイムが最大限の力を発揮できる分野で貢献できるよう、長期的な視点をもって邁進していきます。

ベーリンガーインゲルハイムは、世界有数の研究開発主導型の製薬企業として、51,000人以上の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。2019年度、ベーリンガーインゲルハイムは約190億ユーロの純売上高を達成しました。研究開発に約35億ユーロを投じてイノベーションに注力し、生命を救いクオリティオブライフ(生活の質)を向上させる新しい医薬品の創出に注力しています。

ベーリンガーインゲルハイムはパートナーシップを重視し、ライフサイエンス分野における多様な知見を活かして科学的な可能性を広げていきます。様々な協働を通じて、現在そして未来の患者さんの生活を変えるような画期的な治療法を提供していきます。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

Gubra社について
Gubra社は、2008年に設立され、デンマークに本社を置く株式非公開のバイオテクノロジー企業です。肥満、糖尿病、NASH、および糖尿病性合併症の4つの重点分野において、科学的カウンセリング、委託研究、共同開発プロジェクトを行っています。Gubra社のエキスパートは、in vivo薬理学、ペプチド化学、分子薬理学、組織学、3Dイメージング、立体学、NGS(次世代シーケンシング)、バイオインフォマティクス、ex vivoアッセイといった多くの前臨床分野を網羅しています。Gubra社は、提携を目的とした初期標的・創薬プログラムのパイプラインによるハイブリッドビジネスモデルを採用すると同時に、最先端技術を豊富な実績や実証済みの手法と組み合わせた前臨床サービスも顧客に提供しています。「Gubra」は、研究および専門知識の重点分野である消化管(GUt)と脳(BRAin)の略語です。詳細については、当社のWebサイト(www.gubra.dk)をご覧ください。

References

  1. Hu, F.B. (2008). Obesity epidemiology. Oxford University Press; Oxford; New York: p. 498.
  2. World Health Organization. (2020). “Obesity and overweight.” Retrieved from: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/obesity-and-overweight#:~:text=Worldwide%20obesity%20has%20nearly%20tripled%20since%201975.&text=Of%20these%20over%20650%20million,kills%20more%20people%20than%20underweight Accessed on Feb. 2, 2020.
  3. Ward, Z.J., Bleich, S.N., Cradock, A.L., et al. (2019). Projected U.S. State-Level Prevalence of Adult Obesity and Severe Obesity. New England Journal of Medicine, 381:2440-2450. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa1909301

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