ベーリンガーインゲルハイムとキングス・カレッジ・ロンドン、大うつ病と統合失調症の新しい治療コンセプトの発展に向けて提携

和訳リリース,
  • この提携により、ベーリンガーインゲルハイムの神経科学に基づく個別化精神医療(Precision Psychiatry)へのアプローチを活かしながら、大うつ病と統合失調症における包括的な臨床研究プログラムを策定し、深刻なメンタルヘルス疾患を抱える患者さんのためにより良い治療薬を提供する取り組みを一層強化する
  • ベーリンガーインゲルハイムとキングス・カレッジ・ロンドンの協働により、認知機能障害に対する治療薬の開発力を向上し、患者個別のバイオマーカーを特定することを目指す

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が10月27日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

2021年10月27日 ドイツ・インゲルハイム、イギリス・ロンドン
ベーリンガーインゲルハイムとキングス・カレッジ・ロンドンの精神医学・心理学・神経科学研究所(IoPPN)は本日、大うつ病および統合失調症患者さんの認知機能障害につながる脳神経回路の機能不全の解明に重点を置いた、新たな提携を発表しました。この研究では、個々の症状を具体的な脳神経回路の機能不全と結びつけ、患者さんごとの行動特性の基盤となる神経生物学的プロセスを標的とした新たな治療薬の開発に活用することを目指します。

ベーリンガーインゲルハイムの中枢神経系(CNS)・網膜症・エマージング医薬品責任者のVikas Mohan Sharma博士(M.D.)は次のように述べています。「トップクラスの精神医学研究所であるIoPPNとの提携が実現したことで、認知機能の評価と、大うつ病および統合失調症患者さんの認知機能低下につながるバイオマーカーについての理解が深まるでしょう。精神疾患に苦しむ多くの患者さんのために、今後の臨床試験と治療法の開発を加速させる機会を共同で生み出せることをたいへん嬉しく思います」

この提携では4件の臨床試験が実施される予定であり、大うつ病および統合失調症患者さんの行動を、家庭環境および研究実施施設での診察時に評価し、認知課題によって活性化される脳神経回路を特定(マッピング)します。標準的な臨床評価以外にも、一連の認知課題、磁気共鳴機能画像法(fMRI)、脳波計(EEG)、ポリソムノグラフィ、VRツールを使用した患者機能評価、会話と睡眠習慣をモニタリングするデジタルバイオマーカーの評価など、ユニークな試験デザインとなっています。

プロジェクトリーダーであり、IoPPNの神経画像部門責任者であるSteven Williams教授は、次のように述べています。「キングス・カレッジ・ロンドンは、精神疾患や神経疾患における認知機能障害の原因となる脳神経回路を解明する研究に長年取り組んできました。中枢神経系の創薬および臨床開発に関して豊富な経験を持つ、研究開発主導型の企業であるベーリンガーインゲルハイムと協力することにより、同社の経験を臨床試験デザインに組み入れ、個別化された患者群を対象とする新しい治療コンセプトに基づいた、より良い臨床試験を実施することができます」

精神神経疾患は、世界中で何億人もの人が罹患しており、人々の健康と学習・就労能力に影響を与えています。認知機能は、問題解決、記憶、注意など、日常生活の基礎となっています。そのため、認知機能に影響が生じると、情報を処理する、簡単な物事を記憶する、他者の感情や表情を察知するなどの能力が低下してしまいます。これらの機能不全は多くの精神神経疾患に共通して見られます。抗精神病薬は1990年代に一定の進展をしましたが、それ以外の治療選択肢はほとんど変わっていません。深刻なメンタルヘルスの問題を治療するブレークスルーセラピーがないことも、その一因となっています。認知機能低下に対するソリューションを見つけ出すことは、ベーリンガーインゲルハイムの革新的なメンタルヘルス研究における重要なテーマです。当社は、2件の進行中の第2相試験と、グリシントランスポーター1(GlyT1)阻害剤に関して最近開始された第3相試験を含め、この分野における包括的な開発プログラムを構築しました。GlyT1阻害剤の臨床試験は、統合失調症の認知機能障害に関連する脳神経回路の理解に基づいた、新たな治療コンセプトの開発を目指す一例です。

ベーリンガーインゲルハイム・メンタルヘルスについて
ベーリンガーインゲルハイム・メンタルヘルスは、人々が充実した生活を送れるよう、メンタルヘルスについての認識を見直します。行動とその根底にある神経生物学を結びつけ、このような病気の症状だけでなく負担を軽減するための標的治療薬を開発します。従来の治療アプローチを革新的なアプローチや技術と組み合わせることにより、私たちは、メンタルヘルス疾患の患者さんが自分の生活、大切な人々、社会とより意味のあるつながりを持てるよう、今後も尽力していきます。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の生活を向上させる画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型の製薬企業として、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持し、長期的な視点をもって邁進していきます。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、約52,000人の社員が世界130カ国以上の市場で業務を展開しています。

キングス・カレッジ・ロンドンおよび精神医学・心理学・神経科学研究所(IoPPN)について
キングス・カレッジ・ロンドンは、世界大学ランキングで上位10位に入る英国大学の1つであり(QS World University Rankings, 2018/19)、イングランドで最も歴史ある大学の1つです。学生数は、世界150カ国から31,000人以上(大学院生12,800人以上を含む)、そして約8,500人の職員が在籍しています。
キングス・カレッジ・ロンドンの精神医学・心理学・神経科学研究所(IoPPN)は、欧州におけるメンタルヘルスおよび関連の神経科学研究の中核を担っています。メンタルヘルスに関して、他の研究所と比べて引用件数の多い研究を生み出しており(引用上位1%)(SciVal 2019)、この指標は、引用件数の多い神経科学研究の世界ランキングで2014年の16位から2019年の4位まで上昇しました。IoPPNの世界トップクラスの研究は、脳に影響を及ぼすメンタル疾患やその他の病気の理解、予防、治療に、これまでも、そして今後も引き続き影響力を発揮していきます。
https://www.kcl.ac.uk/ioppn @KingsIoPPN

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

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