ベーリンガーインゲルハイムとOSE Immunotherapeutics、がんおよび心腎代謝疾患を対象とするファーストインクラスの治療薬開発に向けて提携を拡大

和訳リリース,

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が5月22日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

報道関係者向け情報
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2024年5月22日 ドイツ/インゲルハイム、フランス/ナント
ベーリンガーインゲルハイムとバイオテクノロジー企業であるOSE Immunotherapeutics SA(ISIN:FR0012127173、Mnemo:OSE)は本日、両社の提携関係を大幅に拡大することを発表しました。

これにより、ファーストインクラスの治療薬の開発を目指す2件の新プロジェクトが、現在進行中の抗SIRPαがん免疫プログラムに追加されます。1件目は、すでに提携の対象となっているアセットの治療評価の範囲を広げ、より多くの患者さんに貢献することを目指すもので、もう1件は、新規アセットの取得に関連するものです。

  • 進行性固形がんを対象とした第1相臨床試験を実施中の抗SIRPαがん免疫化合物BI 765063およびBI 770371に関する既存の提携およびライセンス契約の修正を反映し、今後は心腎代謝疾患に関しても開発を進めます。
  • アセットの取得により、OSEcis標的PD-1サイトカインプラットフォームに基づく免疫細胞を活性化させる治療薬の開発を目指す新たな非臨床プログラムが開始されます。

心腎代謝疾患は、世界で10億人以上の人々に影響を及ぼしており2 、毎年2,000万人がこれらの疾患により死亡しています。心腎代謝疾患は、相互に関連し、併発し、影響し合うこともある疾患群で、患者さんの生活に大きな負担をもたらします。また、がんにより、毎年1,000万人近くが亡くなっており、多くのがん患者さんにとって、治療オプションは存在しないか、限られています。

新たな開発プログラムは、ベーリンガーインゲルハイムのパイプラインを強化するものであり、心腎代謝疾患やがんなどにおけるアンメットニーズを満たすための新たな治療薬を模索し、進展させるという当社の揺るぎない取り組みを反映しています。このcis標的抗PD-1サイトカインプラットフォームのアセットにより、ベーリンガーインゲルハイムの新規がん免疫調節薬候補がさらに充実します。また現在開発が進行中の抗SIRPα化合物の新規適応症に向けた第2相臨床試験が今年後半には開始される予定で、これが加われば、当社の包括的な心腎代謝パイプラインがさらに拡充します。

ベーリンガーインゲルハイムのコーポレート・シニア・バイスプレジデント兼創薬研究グローバル責任者のClive R. Woodは、次のように述べています。「ファーストインクラスのT細胞に基づく抗がん剤に加え、ファーストインクラスの心腎代謝疾患治療薬候補のパイプラインを拡張することができ、大変嬉しく思います。OSEとの提携拡大は、世界の人々の健康にとって大きな脅威である2つの疾患領域において、患者さんのアウトカムを改善するという、私たちに共通する使命を反映しています」

OSE ImmunotherapeuticsCEOであるNicolas Poirier 氏は、次のように述べています。「このたび、2つの非常に革新的な開発プログラムがベーリンガーインゲルハイムとの有意義な提携に加わることを大変嬉しく思っています。私たちはベーリンガーインゲルハイムの研究者と共に、心腎代謝疾患やがんの患者さんに画期的な新規治療オプションをもたらす可能性のある、この新しい開発プログラムに取り組むことを楽しみにしています」

OSE Immunotherapeuticsは、前払金として1,350万ユーロ、および短期に達成される可能性のあるマイルストーンとして、非臨床開発段階にある新規cis標的抗PD-1サイトカインアセットの取得時に1,750万ユーロを受け取ります。現在進行中の2つの抗SIRPαプログラム(BI 765063およびBI 770371)に関し、両社は、2,530万ユーロの一時金による部分的な特許買取に合意しました。さらに、ベーリンガーインゲルハイムには、今後の開発の過程で追加的な買取のオプションが付与され、これにより一時金と販売マイルストーンが発生します。その他、合意された開発、申請・承認、販売マイルストーンペイメント(最高11億ユーロ)についてはすべて、両社が合意した当初の契約に基づきます。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の健康に取り組むバイオ製薬企業です。研究開発において業界トップクラスの投資を行い、アンメットメディカルニーズの高い分野で画期的な治療法の開発に注力しています。1885年の創業以来、ベーリンガーインゲルハイムは株式を公開しない独立した企業形態により長期的な視点を維持し、バリューチェーン全体にサステナビリティを組み込んだ活動を行っています。より健やかでサステナブルかつ公平な未来を築くため、53,500人以上の社員が130ヵ国以上で事業を展開しています。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)

OSE Immunotherapeutics SA について
OSE Immunotherapeuticsは、がん免疫療法と免疫・炎症疾患の領域における、ファーストインクラスのアセットの開発に特化したバイオテクノロジー企業です。
OSE Immunotherapeuticsのアセットに関する詳細は、同社Webサイト(https://www.ose-immuno.com/)で入手できます。XおよびLinkedInもご覧ください。

References
1 Cis-targeting: Bispecific antibodies have the capability to target cells either in a cis- or in a trans-binding orientation. During trans-binding, the antibody recognizes two different antigens, each expressed on a different cell population, and can link two different cell populations with each other (e.g. T-cell engagers). Cis-binding bispecific antibody targets two antigens expressed on the very same cell enabling preferential activation of the desired immune cell types while minimizing the activation of others (Segués A. et al. International Review of Cell and Molecular Biology 2022).
2 Schechter M, Melzer Cohen C, Yanuv I, et al. Epidemiology of the diabetes-cardio-renal spectrum: a cross-sectional report of 1.4 million adults. Cardiovascular Diabetology. 2022;21(1):104.doi:10.1186/s12933-022-01521-9t

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