スペソリマブ、膿疱性乾癬の急性症状の再発の予防において、米国でブレークスルーセラピー指定を取得

和訳リリース,
  • 膿疱性乾癬(GPP)の急性症状の再発の予防に関する主要評価項目と主な副次的評価項目を達成したEFFISAYILTM 2試験1,2,3の結果に基づく
  • 急性症状の発現が予測不能な難治性皮膚疾患であるGPPが、患者さんへの大きな身体的および精神的な負担を及ぼす重篤な疾患であることによる指定
  • 本指定は、当社のパイプラインの進展とアンメットメディカルニーズのある分野での価値を生み出す取り組みを実証するもの

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が5 月2 日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

2023年5月2日 ドイツ/インゲルハイム
べーリンガーインゲルハイムは、スペソリマブが青少年および成人における膿疱性乾癬(GPP)の急性症状の再発を予防する薬剤として、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定(BTD)を取得したことを発表しました。

ベーリンガーインゲルハイムのヒューマンファーマビジネスユニット担当取締役のカリン・ブルヨンは、次のように述べています。「GPPの急性症状は、突然発症して急速に悪化し、治療せずに放置すると命に関わることもあるため、患者さんは将来について不安を抱いています。GPPの急性症状の再発を予防する緊急の必要性がFDAに認められたことは、患者さんがこの病気に左右されることなく今後の生活を送る上での大きな前進となります」

今回の指定は、中国の国家薬品監督管理局(NMPA)の医薬品評価センター(CDE)が、GPPの急性症状の再発の予防に関してスペソリマブにブレークスルーセラピー指定を付与したことに続くものです。

米国FDAと中国NMPAによるこれらの指定は、スペソリマブによる最長48週間の長期的治療が青少年および成人患者におけるGPPの急性症状の再発の予防に有効かどうかを評価したEFFISAYILTM 2試験の重要な結果1,2,3に基づいています。安全性データは、スペソリマブに関して過去に実施された臨床試験と大きく異なりませんでした。試験のデータは、2023年7月上旬に開催される第25回世界皮膚科学会(the 25th World Congress of Dermatology 2023)で発表される予定です。

スペソリマブについて
スペソリマブは、GPPを含む複数の自己炎症性疾患の病因に関連することが明らかになっている免疫系のシグナル伝達経路であるインターロイキン36受容体(IL-36R)の作用を阻害する新規ヒト化選択的抗体です4,6,11。スペソリマブは、米国、日本、中国本土、欧州連合(EU)を含む約40カ国において、成人におけるGPPの急性症状に対する治療薬として規制当局の製造販売承認を取得しています8,9

本剤は、検出力のある無作為化プラセボ対照試験で、急性期GPPの治療として検証されたIL-36経路を特異的に標的とする初の承認薬です。11。スペソリマブは、他のIL-36が病態に関わる皮膚疾患の治療を目的として、研究が進められています10

EFFISAYILTM臨床試験プログラムについて
EFFISAYILTM臨床試験プログラムには、以下の試験が含まれます。

  • EFFISAYILTM1試験:スペソリマブの1回の静脈内投与により、急性期GPP患者における膿疱および皮膚症状の速やかな改善が認められ、12週間にわたって持続することが示された第II相試験です11。この結果は、主要市場で、成人におけるGPPの急性症状に対する初の治療薬としてスペソリマブが承認される際の裏付けとなりました8,9,11
  • EFFISAYILTM2試験:青少年および成人におけるGPPの急性症状の再発の予防およびGPP症状の持続的なコントロールを目的としたスペソリマブ皮下投与による維持療法の有効性と安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照の第IIb相試験です1,2,3
  • EFFISAYILTMON試験:過去にスペソリマブの試験を完了したGPP患者において、スペソリマブの長期的な安全性と有効性を評価する非盲検長期延長試験です5

膿疱性乾癬(GPP)について
GPPは、生命を脅かすおそれのある希少な難治性皮膚疾患であり、尋常性乾癬とは臨床的に区別されます4,12。GPPは、好中球(白血球の一種)が皮膚に集積することによって引き起こされ、痛みを伴う無菌性膿疱が全身に多発します4,12。臨床経過には幅があり、急性期症状の再発を繰り返す患者さんもいれば、症状が遷延して断続的に急性期が起こる患者さんもいます12。GPPの急性症状の重症度は人によって異なりますが、治療せずに放置すると、敗血症や多臓器不全などを引き起こし、場合によっては命にかかわります4。この慢性かつ全身性の疾患は、患者さんのクオリティオブライフに重大な影響を及ぼし、医療にとって負担となります13。GPPは、地域によって罹患率に差があり、男性よりも女性の方が、罹患率が高い傾向にあります4,13-16。良好な安全性プロファイルを持ち、GPPの急性症状の再発を予防する治療に対する高いアンメットニーズが存在します11,17

GPPの急性期は、心不全、腎不全、敗血症などの生命にかかわる合併症による入院につながり、予測不能で重篤な急性症状は、クオリティオブライフに重大な影響を及ぼします4,17

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、世代を超えて生活を変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出を目指しています。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的かつサステナブルな視点を維持しています。ヒト用医療用医薬品とアニマルヘルスの2つの事業分野において、53,000人以上の社員が世界130ヵ国以上で事業を展開しています。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com/2022/
(アニュアルレポート 英語)

References

  1. Morita A, Choon SE, Bachelez H et al. Design of EffisayilTM 2: A randomized, double-blind, placebo-controlled study of spesolimab in preventing flares in patients with generalized pustular psoriasis. Dermatol Ther (Heidelb) (2023) 13:347–359.
  2. A study to test whether BI 655130 (spesolimab) prevents flare-ups in patients with generalized pustular psoriasis. www.clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT04399837?term=Boehringer. Last accessed January 2023.
  3. Spesolimab meets primary and key secondary endpoint for prevention of generalized pustular psoriasis flares. Available at: https://www.boehringer-ingelheim.com/human-health/skin-diseases/gpp/spesolimab-meets-key-endpoint-for-gpp-flare-prevention. Last accessed April 2023.
  4. Crowley JJ, et al. A brief guide to pustular psoriasis for primary care providers, Postgraduate Medicine. 2021;133(3):330-344.
  5. Effisayil ON: An open-label, long term extension study to assess the safety and efficacy of spesolimab treatment in patients with generalized pustular psoriasis (GPP). https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03886246?term=Effisayil&draw=2&rank=1. Last accessed January 2023.
  6. Furue K, et al. Highlighting Interleukin-36 Signalling in plaque psoriasis and pustular psoriasis. Acta Derm Venereol. 2018;98:5–13.
  7. Bachelez H, et al. Inhibition of the Interleukin-36 Pathway for the Treatment of Generalized Pustular Psoriasis. N Engl J Med. 2019; 380:981-983.
  8. Federal Drug Administration. New Drug Approvals for 2022. Available at: https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2022/761244s000lbl.pdf. Accessed January 2023.
  9. EC approval statement (data on file).
  10. A study to test whether spesolimab helps people with a skin disease called hidradenitis suppurativa. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04762277. January 2023.
  11. Bachelez H et al. Trial of spesolimab for generalized pustular psoriasis. NEJM. 2021;385:2431-40.
  12. Navarini AA, et al. European consensus statement on phenotypes of pustular psoriasis. JEADV. 2017;31:1792-1799.
  13. Hanna M, et al. Economic burden of generalized pustular psoriasis and palmoplantar pustulosis in the United States. Curr Med Res Opin. 2021. 37(5):735-742.
  14. Augey F, et al. Generalized pustular psoriasis (Zumbusch): a French epidemiological survey. Eur J Derm. 2006; 16(6):669-673.
  15. Ohkawara A et al. Generalized pustular psoriasis in Japan: two distinct groups formed by differences in symptoms and genetic background. Acta Derm Venereol. 1996 Jan;76(1):68–71.
  16. Jin H, et al. Clinical features and course of generalized pustular psoriasis in Korea. J Dermatol. 2015; 42(7):674-678.
  17. Puig L, Choon SE, Gottlieb AB, et al. Generalized pustular psoriasis: a global Delphi consensus on clinical course, diagnosis, treatment goals, and disease management. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023 Jan 6. doi: 10.1111/jdv.18851.

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