ベーリンガーインゲルハイム、ファーストインクラスの線維症治療薬の臨床開発を開始

和訳リリース,

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が5 月9 日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

2023年5月9日 ドイツ/インゲルハイム、シンガポール
ベーリンガーインゲルハイムは本日、ファーストインクラスのIL-11阻害抗体であるBI 765423について、健康な被験者を対象に安全性、忍容性、および薬物動態を評価する第I相試験(NCT05658107)の臨床開発を開始したことを発表しました。ベーリンガーインゲルハイムはすでに肺線維症の治療におけるグローバルリーダーであり、このたび抗IL-11治療薬の臨床開発を開始したことは、さまざまな治療領域で線維症と闘う当社の長年にわたる取り組みを反映しています。このIL-11阻害抗体は、この種で初めて臨床開発段階に入った薬剤であり、当社とEnleofen Bio Pte.社(以下、「Enleofen社」)との提携に基づいて、患者さんのアウトカム向上を目的としています。

「線維症」とは、さまざまな器官や組織のコントロールできない進行性の線維化(瘢痕化(はんこんか))を特徴とする幅広い病気を指しています。感染症、炎症、自己免疫疾患、変性疾患、腫瘍、創傷など、さまざまな要因によって引き起こされ、器官の機能障害/不全を生じさせて患者さんのクオリティオブライフや生存率に影響を及ぼします。線維症の例として、全身性硬化症、移植片対宿主病、また心臓、肺、肝臓、腎臓の線維症があります。線維症は、一部の領域ではその治療について進展が認められるものの、依然として死亡率を押し上げる原因となっており、全世界の死亡の3分の1以上を占めています。

IL-11は、複数の臓器にわたる線維症において重要な役割を果たしています。前臨床試験では、抗IL-11治療薬がさまざまな線維症を食い止め、さらには可逆化する可能性があることが明らかになっています。ベーリンガーインゲルハイムは2020年、IL-11の研究でトップクラスの企業であるEnleofen社と提携しました。

ベーリンガーインゲルハイムの創薬研究担当コーポレートシニアバイスプレジデント兼グローバルヘッドのClive R. Wood(Ph.D.)は、次のように述べています。「今回の試験の開始は、ベーリンガーインゲルハイムにとって重要なマイルストーンであり、線維症患者さんの生活を変えるという当社の目的に一歩近づくものです。抗IL-11薬に関して前臨床段階で明らかになった効果は印象的なものであり、この効果が臨床で確認されれば、線維症の治療に劇的な進歩をもたらす可能性があります」

Enleofen社の共同創設者であり、シンガポールのSingHealth Duke-NUSアカデミックメディカルセンターおよびDuke-NUS医学部の心血管代謝疾患プログラムのタノト財団心血管医学教授を務めるStuart Cook教授は、次のように述べています。「Enleofen社は、IL-11阻害剤に関し、患者さんのアンメットニーズへの対応を目指して、抗線維化剤の研究開発でトップクラスのべーリンガーインゲルハイムとの提携が臨床段階に進んだことを嬉しく思います」

このIL-11プログラムは、ベーリンガーインゲルハイムの臨床段階にある線維症パイプラインポートフォリオを補完するものです。これには、ホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)阻害剤であるBI 1015550が含まれます。BI 1015550は、特発性肺線維症(IPF)患者およびその他の進行性線維化を伴う間質性肺疾患(ILDs)患者を対象に、52週間以上にわたり、BI 1015550の有効性、安全性、忍容性を評価する2件の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「FIBRONEERTM-IPF試験」(NCT05321069)および「FIBRONEERTM-ILD試験」(NCT05321082)、またその他の複数の臨床段階プログラムで評価中です。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、世代を超えて生活を変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出を目指しています。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的かつサステナブルな視点を維持しています。ヒト用医療用医薬品とアニマルヘルスの2つの事業分野において、53,000人以上の社員が世界130ヵ国以上で事業を展開しています。

Enleofen社について
Enleofen社は、シンガポールを拠点とするバイオテクノロジー企業であり、線維化を伴うヒトの炎症性疾患を治療するファーストインクラスの抗体治療薬を開発しています。初期の創薬科学および薬物標的の検証は、創設者であるStuart CookとSebastian Schäferによって、SingHealth and Duke-NUS医学部のシンガポール国立心臓センターで行われ、その後、Enleofen社にライセンス供与されました。2017年以来、同社は、創設者であるJeffrey LuやAndrew Khooを含め、ライフサイエンス分野で国際的に経験豊富なエグゼクティブおよび投資家の支援を得て、標的の検証、医薬品開発、および前臨床試験に幅広い投資を行っています。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com/2022/
(アニュアルレポート 英語)

お問い合わせ