日本ベーリンガーインゲルハイム、「ゲノム医学と医療」をテーマとした、第61回「ベルツ賞」受賞者を発表
- 1964年に創設された、伝統ある医学賞「ベルツ賞」は、毎年優れた医学論文を表彰
- 今年は「ゲノム医学と医療」をテーマに募集し、東京大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授 戸田達史 先生の「福山型筋ジストロフィーを含めた糖鎖合成異常症の系統的な解明・治療に関する研究」が1等賞を受賞
- 2025年度より、新たに日本の若手医師を対象とした「ベルツ研究助成」を開始
2024年11月28日 日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役会長 兼 社長 ヤンシュテファン・シェルド)は、本日、第61回(2024年度)ベルツ賞受賞論文を発表するとともに、贈呈式を執り行いました。
1等賞「福山型筋ジストロフィーを含めた糖鎖合成異常症の系統的な解明・治療に関する研究
東京大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授 戸田 達史(とだ たつし)先生
【主な評価ポイント】
- 福山型筋ジストロフィーという遺伝性難病の原因解明からその発症機構の同定、さらにはRNAスプライシング異常を是正する核酸医薬が臨床試験に入っており、医療展開まで見据えたスコープの広い研究であること
2等賞「がんゲノム医学を基盤とした個別化医療」
東京大学 医科学研究所 ゲノム医科学分野 教授
国立がん研究センター がんゲノミクス研究分野 分野長 柴田 龍弘(しばた たつひろ)先生
【主な評価ポイント】
- さまざまながんのゲノム解析によって、胃がんにおける新しいドライバー遺伝子の同定、新規RNAスプライシング異常の発見など次々と解明し、特に胆道がんについては製薬会社と共同で治療薬上市にいたっており、医療実用化につながった意義の高い研究成果であること
※受賞者の略歴、受賞論文の抄録については、別添をご覧ください。
贈呈式は本日、ドイツ大使公邸で執り行われ、日本ベーリンガーインゲルハイムより、1等賞受賞者には1000万円、2等賞受賞者には500万円の賞金、さらに賞状とメダルがそれぞれ贈呈されました。
ベーリンガーインゲルハイム イノベーション担当取締役のパオラ・カサロッサは祝辞のなかで、「ベルツ賞が日本における伝統と権威のある医学賞として、これまで継続できたことに心より感謝いたします。当賞が医学のさらなる発展と日独両国の友好関係のさらなる進展の一助となることを祈念します」と述べ、受賞者を称えました。
なお、日本ベーリンガーインゲルハイムは、日本の若手医師や研究者の独自性および独創性のある医学研究の発展を持続的に支援する目的で、「ベルツ研究助成」を新たに設立いたします。第1回(2025年度)研究助成は「2024年度ベルツ賞」と同じ「ゲノム医学と医療」をテーマに、応募を開始いたします。募集要項や応募規定は当社Webサイトをご覧ください。
日本ベーリンガーインゲルハイムは日本の医学の発展のため、「ベルツ賞」ならびに「ベルツ研究助成」を通じて、これからも日本における医学界の研究活動を支援してまいります。
日本ベーリンガーインゲルハイム 公式ウェブサイト ベルツ賞ページ
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/herutsushang
第61回(2024年度)ベルツ賞 選考委員会
2024年度 専門委員
小川 誠司 先生 | 京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学 教授 |
滝田 順子 先生 | 京都大学大学院医学研究科 発達小児科学 教授 |
間野 博行 先生 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所 所長 |
山本 一彦 先生 | 国立研究開発法人 理化学研究所 生命医科学研究センター センター長 |
常任委員
井村 裕夫 先生 | 京都大学 名誉教授 /(公財)神戸医療産業都市推進機構 名誉理事長 |
岸本 忠三 先生 | 大阪大学 名誉教授/大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任教授 |
永井 良三 先生 | 自治医科大学 学長/宮内庁皇室 医務主管 |
中西 重忠 先生 | 京都大学 名誉教授 |
宮園 浩平 先生 | 理化学研究所 理事/東京大学大学院 医学系研究科応用病理学 卓越教授 |
ベルツ賞について
「ベルツ賞」(正式名称:「エルウィン・フォン・ベルツ賞」)はベーリンガーインゲルハイムが1964年に設立した伝統ある日本国内の医学賞です。日独両国間の歴史的な医学領域での交流関係を回顧し、またその交流関係を更に深めていく目的で設立されました。「ベルツ賞」の名称は、日本の近代医学の発展に大きな功績を残したドイツ人医師エルウィン・フォン・ベルツ博士の名を冠したものです。ベルツ博士は、ドイツ チュービンゲン大学で医学を学び、ライプチヒ大学講師を経て1876年(明治9年)に来日しました。在日中は、現在の東京大学医学部の前身である東京医学校で教鞭をとり、数多くの優れた日本人医学者を育てるとともに、皇室の侍医を務めた事でも広く知られています。医学教育のみならず、公衆衛生面でも日本の防疫事業の基礎を築くなど、明治から始まる黎明期に日本が西洋医学を導入する上で、大きな貢献をした指導者の一人です。「ベルツ賞」の歴代受賞者には、2018年度ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学 特別教授 本庶 佑先生(第22回 1984年度受賞)をはじめ、生命科学や医学を牽引する研究者が名を連ねています。
ベルツ研究助成について
ベーリンガーインゲルハイムは1964年にベルツ賞を創設し、毎年特定の医学の分野に関する優れた学術論文に対して賞を贈呈し、日本における医学の発展を支援してきました。2023年にベルツ賞60周年を迎え、日本の若手医師・研究者の独自性・独創性のある医学研究のさらなる発展を持続的に支援する目的で、2025年度よりベルツ研究助成を設立しました。前年度の「ベルツ賞」のテーマから、さらに発展が望まれる分野など専門委員が設定した研究テーマを募集し、選考された医師に研究助成を交付します。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の健康に取り組むバイオ製薬企業です。研究開発において業界トップクラスの投資を行い、アンメットメディカルニーズの高い分野で画期的な治療法の開発に注力しています。1885年の創業以来、ベーリンガーインゲルハイムは株式を公開しない独立した企業形態により長期的な視点を維持し、バリューチェーン全体にサステナビリティを組み込んだ活動を行っています。より健やかでサステナブルかつ公平な未来を築くため、53,500人以上の社員が130ヵ国以上で事業を展開しています。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)