プラザキサ®の特異的中和剤「プリズバインド®静注液2.5g」 承認条件解除のお知らせ

日本/東京,

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

2020年11月11日 日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役会長兼社長:青野吉晃)は、直接トロンビン阻害剤プラザキサ®(一般名:ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)の特異的中和剤プリズバインド®静注液2.5g〈一般名:イダルシズマブ(遺伝子組換え)、以下プリズバインド®〉に関し、厚生労働省より承認条件解除の連絡(2020年11月4日付)を受けましたので、お知らせいたします。

プリズバインド®は、2016年9月に「生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、もしくは重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時におけるダビガトランの抗凝固作用の中和」の効能・効果を取得しており、その際の承認条件*として、使用成績調査(全例調査:以下、本調査)が付されていました。

*承認条件:日本人での投与経験が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること

今回の承認条件の解除は、厚生労働省に提出した本調査の集計結果(474例)について、承認条件である使用成績調査が適切に実施され、患者背景、安全性及び有効性に係る情報が収集されたこと、収集された情報に基づいて本剤の適正使用に必要な措置が講じられたことから、さらなる調査等の実施は必要ないと考えられ、決定されたものです。本承認条件解除により、プリズバインド®の全例登録が解除となり、本承認条件解除日(2020年11月4日)以降にプリズバインドを投与された症例の登録が不要になりました。

患者さんや医療従事者の皆様に広く貢献することを目指し、今後も継続してプラザキサ®およびプリズバインド®の有効性及び安全性情報を収集・提供するとともに、適正使用の推進に努めてまいります。

使用成績調査(全例調査)について
2016年11月18日のプリズバインド®の発売日から2019年4月15日までに投与された474例で安全性および有効性を評価しました。その結果、製造販売承認審査時に検討された臨床試験と概ね同様であることが示されました。
安全性解析対象症例474例のうち、副作用発現率は3.6%(17/474例)であり、重篤な副作用発現率は2.7%(13/474例)でした。器官別大分類別では「神経系障害」が最も多く、血栓塞栓症の副作用は9例(1.9%、9/474例)報告されました。また、重点調査項目である過敏症や免疫原性に関連した副作用の報告はありませんでした1

プリズバインド®〈イダルシズマブ(遺伝子組換え)〉について
プリズバインド®は、ダビガトランの特異的中和剤として開発されたヒト化抗体フラグメントで、ダビガトラン分子のみに特異的に結合し、凝固カスケードを妨げることなく抗凝固作用を中和します。頻度は非常に低いものの、プラザキサ®を服用中で緊急手術や緊急処置を要する患者、または生命を脅かす出血もしくは止血困難な出血を発現した患者において、ダビガトランの抗凝固作用を迅速に中和する必要がある場合に使用されます。プリズバインド®は、直接トロンビン阻害剤などの直接作用型経口抗凝固薬(DOAC:Direct oral anticoagulant)に対する特異的中和剤として、日本初の薬剤です(2016年に発売)。
プリズバインド®は、ベーリンガーインゲルハイムの研究者らによって創薬・開発され、その研究プログラムは、プラザキサ®が日本で製造販売承認を取得した2011年に先立つ2009年に開始されました。ベーリンガーインゲルハイムは、ダビガトランが承認されているすべての国でイダルシズマブの申請を行う予定で、2020年4月現在、米国や欧州などで承認を取得しています。

プラザキサ®(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)について
プラザキサ®は、世界100か国以上で承認を得ており、新世代の経口抗凝固剤として急性および慢性の血栓塞栓症の予防/治療における高いアンメット・メディカル・ニーズに対応することができる直接トロンビン阻害剤です。直接トロンビン阻害剤は、血栓形成プロセスにおいて中心的な役割を果たす酵素であるトロンビンの活性を特異的に阻害することにより、強力な抗血栓作用を発揮します。様々な凝固因子を介して多様な作用を示すビタミンK拮抗薬とは異なり、プラザキサ®は有効かつ予測可能で再現性のある抗凝固作用を示します。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムの中核をなすのは、人と動物のためにより良い医薬品をお届けすることであり、生活を変える画期的な医薬品や治療法を開発していくことが当社の使命です。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。将来のヘルスケアにおける課題を見据え、ベーリンガーインゲルハイムが最大限の力を発揮できる分野で貢献できるよう、長期的な視点をもって邁進していきます。

ベーリンガーインゲルハイムは、世界有数の研究開発主導型の製薬企業として、51,000人以上の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。2019年度、ベーリンガーインゲルハイムは約190億ユーロの純売上高を達成しました。研究開発に約35億ユーロを投じてイノベーションに注力し、生命を救いクオリティオブライフ(生活の質)を向上させる新しい医薬品の創出に注力しています。

ベーリンガーインゲルハイムはパートナーシップを重視し、ライフサイエンス分野における多様な知見を活かして科学的な可能性を広げていきます。様々な協働を通じて、現在そして未来の患者さんの生活を変えるような画期的な治療法を提供していきます。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

References

  1. プリズバインド静注液2.5g第5回新医療用医薬品に関する安全性定期報告書

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