ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma社が開発中のNASH治療薬がFDAのファストトラックに指定

和訳リリース,
  • GLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストに対するFDAのファストトラック指定は、NASH患者さんのアンメットメディカルニーズを満たす新たな治療オプションが緊急に必要であることを裏付けています
  • 次世代のNASH治療薬開発に向けたベーリンガーインゲルハイムの重点的取り組みは、循環器代謝疾患の新規治療薬研究の実績に基づきます

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が6月2日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください

2021年6月2日 ドイツ/インゲルハイム、デンマーク/コペンハーゲン
ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma A/S(Nasdaq: ZEAL)(CVR-no. 20045078)は本日、米国食品医薬品局(FDA)が、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の成人患者に対して開発中のGLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストであるBI 456906を、ファストトラックに指定したことを発表しました。ファストトラック指定制度とは、重篤な疾患を治療してアンメットメディカルニーズを充足する新薬の開発を促進し、審査を迅速化するものです。BI 456906については現在、糖尿病合併の有無にかかわらず肝線維化(F2/F3)を伴うNASHの患者さんを対象とした、第2相試験が進行中です。

ベーリンガーインゲルハイムのコーポレートバイスプレジデント、心血管代謝部門長Waheed Jamal(M.D.)は、次のように述べています。「当社のデュアルアゴニストに対するFDAのファストトラック指定は、4億4,400万人もの成人NASH患者さんの高いアンメットメディカルニーズに対処する上で重要な一歩です。パートナーのZealand Pharma社と共に、FDAと緊密に連携し、成人NASH患者さんのアウトカムを改善するGLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストの可能性を模索していきます」

Zealand Pharma社のエグゼクティブバイスプレジデント兼最高医学責任者(CMO)のAdam Steensberg氏は、次のように述べています。「ベーリンガーインゲルハイムとZealand Pharma社は、NASHを含む循環器代謝疾患の公衆衛生問題に対処するための革新的なソリューションを提供するべく取り組んでいます。ベーリンガーインゲルハイムの循環器代謝疾患分野の医薬品開発における専門知識と、革新的なペプチドを用いた医薬品の創薬における当社の強みを組み合わせることにより、現時点で治療薬が限られている分野において、新たな治療オプションを提供できる可能性があります」

天然型消化管ホルモンであるオキシントモジュリン由来のGLP-1/グルカゴン化合物は、代謝機能を制御する上で重要なGLP-1とグルカゴン受容体の両方を活性化させます。デュアルアゴニストBI 456906は、現在利用可能な治療薬と比較して、治療上のベネフィットをもたらす週1回投与の新しい治療薬となる可能性を秘めています。また、糖尿病や肥満の成人患者さんの治療オプションとしても研究が進められています。これは、ベーリンガーインゲルハイムの研究開発段階にある循環器代謝疾患領域ポートフォリオの一部です。

本第2相試験について
この第2相ランダム化二重盲検プラセボ対照用量検討試験(NCT04771273)では、糖尿病合併の有無にかかわらず肝線維化(F2/F3)を伴うNASHの患者さんを対象として、BI 456906を評価します。試験の主要評価項目は、治療後48週時点での、線維化の悪化を伴わない脂肪肝炎の組織学的改善です。被験者は、試験期間中、週に1回、異なる用量のBI 456906またはプラセボの皮下注射を受けます。

NASHについて
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、代謝誘導による肝臓の炎症によって引き起こされ、肝線維化や肝硬変の主な原因の1つとなっています。自覚症状がほぼなく、あってもNASH特有のものでないことが多いため、診断が困難です。現在、利用できる承認された治療薬は存在せず、アンメットメディカルニーズが高い領域です。NASHは、欧米の先進国で一般的に見られ、成人の4人に1人が罹患する肝疾患である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)よりも深刻な病態です。NASHとNAFLDは、2型糖尿病や肥満などの代謝異常の患者さんに特によく見られますが、これらに限定されません。NASHの有病数は、世界で4億4,400万人に上ると考えられています。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の生活を向上させる画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型の製薬企業として、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持し、長期的な視点をもって邁進していきます。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、約52,000人の社員が世界130カ国以上の市場で業務を展開しています。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)

Zealand Pharma A/Sについて
Zealand Pharma A/S(以下、「Zealand社」)(NASDAQ:ZEAL)は、革新的なペプチドを用いた医薬品の創薬、開発、商品化に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業です。Zealand社が生み出した医薬品候補のうち10以上が臨床開発段階に進み、そのうち2つが市場に投入されました。Zealand社が研究中の充実した医薬品パイプラインには、後期開発段階にある医薬品候補3つと、米国で規制当局の承認に向けて審査中の1つが含まれます。Zealand社は、糖尿病患者さん向けのオールインワンの強化インスリン(Basal-Bolus)送達オプションであるV-Go®を販売しています。ベーリンガーインゲルハイムやアレクシオンファーマ社とのライセンス提携により、さらに多くの患者さんがZealand社の生み出したペプチド治療の恩恵を受けられる可能性があります。

Zealand社は、1998年にデンマーク・コペンハーゲンで創立され、ニューヨーク、ボストン、マールボロ(マサチューセッツ州)などの主要都市を含め、米国全土に展開しています。Zealand社の事業および業務の詳細については、www.zealandpharma.comをご覧ください。

今後の見通しに関する記述
上記の情報には、将来の出来事に関するZealand Pharma社の期待や予測に関する今後の見通しに関する記述が含まれています。これらの記述は、リスク、不確実性、不正確な前提の影響を受け、実際の結果が本書に記述する期待と大きく異なる可能性や、今後の見通しに関する記述の一部または全部が誤った内容になる可能性があります。今後の見通しに関する記述の一部または全部が不正確であると判明した場合、実際の結果は、このような記述によって予測または示唆されているものとは大きく異なるおそれがあります。今後の見通しに関する記述は、本リリースの発表時点での内容であり、本リリースの発表時点でZealand Pharma社が把握している情報に基づいています。

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