Numab Therapeutics社とベーリンガーインゲルハイム、がんおよび網膜疾患に対する多重特異性抗体療法を共同で開発
- Numab Therapeutics社との提携により、ベーリンガーインゲルハイムの二重・多重特異性抗体パイプラインが、肺がん・消化管がんおよび地図状萎縮(GA)における2つの最有力プロジェクトで拡充
- Numab Therapeutic社の独自プラットフォームにより、プラグアンドプレイ方式を用いたファーストインクラス、ベストインクラスの二重・多重特異性抗体エンジニアリングが可能に
報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。
当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が7月7日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。
2020年7月7日 ドイツ/インゲルハイムおよびスイス/ヴェーデンスヴィル
ベーリンガーインゲルハイムとNumab Therapeutics社(以下、Numab社)は本日、共同研究および世界的ライセンス契約を締結したことを発表しました。この共同研究は、治療困難な肺がん・消化管がん、および加齢黄斑変性症(AMD)の患者に起こる不可逆な進行性網膜疾患であり、現時点では治療薬がない地図状萎縮(GA)の新規治療薬を目指す2つのプロジェクトから開始されます。共同研究では、ベーリンガーインゲルハイムが有する画期的な治療法の研究開発におけるトップクラスの専門知識と、Numab社の多重特異性抗体プラットフォームを組み合わせます。
肺がん・消化管がんおよび網膜疾患は、ベーリンガーインゲルハイムの研究開発プログラムにおける主要重点領域です。オンコロジー領域では、がん免疫療法とがん細胞標的アプローチを組み合わせ、幅広く多様なパイプラインを構築してきました。Numab社と開発する新規T細胞誘導が加わることにより、ベーリンガーインゲルハイムのがん免疫ポートフォリオが拡充され、相乗的な併用アプローチを用いることで非炎症性腫瘍(cold tumor)を標的としてがんを攻撃するという戦略を補強することができます。また、ベーリンガーインゲルハイムは、網膜疾患領域において、オンコロジー、炎症、神経変性、線維症、心血管代謝疾患領域で培った専門知識を活用し、包括的なアプローチを追求しています。Numab社との新しいGAプログラムにより、さまざまな開発段階(黄斑変性および糖尿病性網膜症では第II相)にある次世代の網膜症治療アプローチの包括的ポートフォリオがさらに拡充されます。
ベーリンガーインゲルハイムのシニアバイスプレジデントであり、米国創薬研究所責任者を務めるPaige Mahaneyは、次のように述べています。「Numab社の精鋭チームと協力し、ポートフォリオ資産の発展に取り組んでいけることを大変楽しみにしています。Numab社の技術プラットフォームは、私たち社内の抗体創薬・エンジニアリング能力に適合しています。これにより、抗体ベースの斬新な治療薬を患者さんに提供するための私たちの取り組みはさらに強化されるでしょう」
Numab Therapeutics社の最高業務責任者、Dr. Oliver Middendorpは、次のように述べています。「医薬品研究開発におけるグローバルリーダーであり、幅広い治療領域にわたって深い専門知識を有するベーリンガーインゲルハイムと協力できることを嬉しく思います。今回の提携により、当社の技術プラットフォームの有効性がさらに証明されます。パートナー企業に同ベーリンガーインゲルハイムが加わることにより、当社の事業開発における主要なマイルストーンがまた1つ達成されます。この提携に伴う前払金と短期的マイルストーンによりNumabの能力がさらに高まり、主要な独自資産の開発が加速することでしょう」
提携契約の条件に基づき、パートナー両社は共同で、各領域に1つずつの新規多重特異性抗体薬物候補を創薬します。ベーリンガーインゲルハイムは、前払金およびマイルストーンペイメントと引き替えに、結果として生まれた薬物候補を開発・販売する独占的な世界的ライセンスと、提携から生まれるすべての製品の純売上高に対する段階的ロイヤリティをNumab社から取得します。
Numab Therapeutics社について
Numab Therapeutics社は、スイス・チューリッヒ地域を拠点とし、オンコロジーに重点を置くバイオファーマ企業です。Numabは、新たな治療戦略の追求を可能にする多重特異性抗体を生み出すことによって、がん免疫療法に新生面を開きます。独自のMATCH™技術プラットフォームにより、多様性と開発可能性を念頭に設計された多重特異性薬物候補の新たな波を生み出します。主要製品は、4-1BB、PD-L1、およびヒト血清アルブミンを同時に標的とする強力な抗腫瘍免疫と、望ましい安全性プロファイルとの間でバランスを取った設計によるものです。創薬設計プロセスの各段階において、最高水準の品質を守ることは重要であり、患者アウトカムの向上につながると考えています。詳細については、www.numab.comをご覧ください。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムの中核をなすのは、人と動物のためにより良い医薬品をお届けすることであり、生活を変える画期的な医薬品や治療法を開発していくことが当社の使命です。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。将来のヘルスケアにおける課題を見据え、ベーリンガーインゲルハイムが最大限の力を発揮できる分野で貢献できるよう、長期的な視点をもって邁進していきます。
ベーリンガーインゲルハイムは、世界有数の研究開発主導型の製薬企業として、51,000人以上の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。2019年度、ベーリンガーインゲルハイムは約190億ユーロの純売上高を達成しました。研究開発に約35億ユーロを投じてイノベーションに注力し、生命を救いクオリティオブライフ(生活の質)を向上させる新しい医薬品の創出に注力しています。
ベーリンガーインゲルハイムはパートナーシップを重視し、ライフサイエンス分野における多様な知見を活かして科学的な可能性を広げていきます。様々な協働を通じて、現在そして未来の患者さんの生活を変えるような画期的な治療法を提供していきます。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)