日本ベーリンガーインゲルハイム、「慢性腎臓病(CKD)―病態生理と対策」をテーマとした、第57回「ベルツ賞」受賞者を発表
- 「ベルツ賞」は、日独両国間の歴史的な医学領域での交流関係を回顧し、またその交流関係を更に深めていく目的で、ベーリンガーインゲルハイムが1964年に設立した伝統ある日本国内の医学賞
- 第57回となる今年のテーマは「慢性腎臓病(CKD)―病態生理と対策」であり、19篇の論文が応募
- 選考委員会による厳正な審査の結果、低酸素誘導因子HIF-1のCKD病態への関与とその治療応用に関する研究が評価され、東京大学大学院医学系研究科 腎臓内科学/内分泌病態学 教授 南学正臣先生の「腎臓病進行の最終共通経路としての低酸素状態の病態生理的意義の解明と新規治療法の開発」が1等賞を受賞
2020年11月2日 日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(代表取締役会長 兼 社長 青野 吉晃)は、本日、第57回(2020年度)ベルツ賞受賞論文を発表いたしました。「ベルツ賞」は、創設から半世紀以上を経た現在、数ある日本の医学賞の中でも権威ある賞の一つとの定評を得ています。第57回目となる今年は、「慢性腎臓病(CKD)―病態生理と対策」をテーマとして、数多くの論文が寄せられ、常任委員5名と専門委員4名による書面評価と選考委員会による厳正な審査の結果、次の通り、受賞者が決定いたしました。
1等賞 | 「腎臓病進行の最終共通経路としての低酸素状態の病態生理的意義の解明と新規治療法の開発」 |
東京大学大学院医学系研究科 腎臓内科学/内分泌病態学 教授 南学 正臣 先生 |
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評価ポイント:低酸素誘導因子HIF-1のCKD病態への関与とその治療応用に関する研究 | |
2等賞 | 「慢性腎臓病の進展を担う細胞群の同定とその制御機構の解明」 |
京都大学大学院医学研究科 腎臓内科学 高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 教授 柳田 素子 先生 |
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評価ポイント:慢性腎臓病の進展に関与する細胞群を同定し、その制御機構の理解を試みた成果 |
1等賞受賞者には800万円、2等賞受賞者には400万円の賞金、さらに賞状とメダルがそれぞれ贈呈されます。
日本ベーリンガーインゲルハイム 代表取締役会長 兼 社長であり、ベルツ賞選考委員会の常任委員である青野 吉晃は、次のように述べています。
「本年度は論文応募を開始した直後より、新型コロナウイルスによる社会的混乱が始まりました。ベルツ賞の約60年の歴史上これまでにないような困難な状況におきましても、ベルツ賞の論文審査と受賞者の選出が継続されたことをたいへん喜ばしく思います。特に医療機関、医療関係の皆様がご対応に追われる中、多数の高いレベルの論文のご応募を頂けたことに御礼申し上げます」
“Value Through Innovation(イノベーションによる価値の創出)”というビジョンのもと、日本ベーリンガーインゲルハイムでは、日本の医学の発展のために、「ベルツ賞」を通じて、これからも日本における医学界の研究活動を支援してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を鑑み、今年11月に予定していたドイツ大使公邸での贈呈式は来年度へ延期する運びとなりました。
第57回(2020年度)ベルツ賞 選考委員会
2020年度 専門委員 | |
稲垣 暢也 先生 | 京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 教授 |
門脇 孝 先生 | 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 院長 |
西中村 隆一 先生 | 熊本大学発生医学研究所 腎臓発生分野 教授 |
新田 孝作 先生 | 東京女子医科大学 腎臓内科学 教授 |
常任委員 | |
井村 裕夫 先生 | 京都大学 名誉教授, 日本学士院 院長 |
岸本 忠三 先生 | 大阪大学 名誉教授, 大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任教授 |
髙久 史麿 先生 | 東京大学 名誉教授,(公社)地域医療振興協会 会長 |
中西 重忠 先生 | 京都大学 名誉教授, (公財)サントリー生命科学財団 生物有機化学研究所 所長 |
青野 吉晃 | 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 代表取締役会長 兼 社長 |
ベルツ賞について
「ベルツ賞」(正式名称:「エルウィン・フォン・ベルツ賞」)はベーリンガーインゲルハイムが1964年に設立してから今年で57年を迎える伝統ある日本国内の医学賞です。日独両国間の歴史的な医学領域での交流関係を回顧し、またその交流関係を更に深めていく目的で設立されました。「ベルツ賞」の名称は、日本の近代医学の発展に大きな功績を残したドイツ人医師エルウィン・フォン・ベルツ博士の名を冠したものです。ベルツ博士は、ドイツ チュービンゲン大学で医学を学び、ライプチヒ大学講師を経て1876年(明治9年)に来日しました。在日中は、現在の東京大学医学部の前身である東京医学校で教鞭をとり、数多くの優れた日本人医学者を育てるとともに、皇室の侍医を務めた事でも広く知られています。医学教育のみならず、公衆衛生面でも日本の防疫事業の基礎を築くなど、明治から始まる黎明期に日本が西洋医学を導入する上で、大きな貢献をした指導者の一人です。「ベルツ賞」の歴代受賞者には、2018年度ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学 特別教授 本庶 佑先生(第22回 1984年度受賞)をはじめ、生命科学や医学を牽引する研究者が名を連ねています。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムの中核をなすのは、人と動物のためにより良い医薬品をお届けすることであり、生活を変える画期的な医薬品や治療法を開発していくことが当社の使命です。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持しています。将来のヘルスケアにおける課題を見据え、ベーリンガーインゲルハイムが最大限の力を発揮できる分野で貢献できるよう、長期的な視点をもって邁進していきます。
ベーリンガーインゲルハイムは、世界有数の研究開発主導型の製薬企業として、51,000人以上の社員が、医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。2019年度、ベーリンガーインゲルハイムは約190億ユーロの純売上高を達成しました。研究開発に約35億ユーロを投じてイノベーションに注力し、生命を救いクオリティオブライフ(生活の質)を向上させる新しい医薬品の創出に注力しています。
ベーリンガーインゲルハイムはパートナーシップを重視し、ライフサイエンス分野における多様な知見を活かして科学的な可能性を広げていきます。様々な協働を通じて、現在そして未来の患者さんの生活を変えるような画期的な治療法を提供していきます。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)