1988年-2013年:Value through Innovation ~革新による価値のクリエーション~

1991年、フベルトゥス・リーブレヒト氏の逝去後、世界の製薬業界を取り巻く激しい変化と、医療費の増大に対応し、研究開発主導型の製薬企業として地位を確保するために、ベーリンガーインゲルハイムの株主会は、新たな会社の方向性を示しました。

初めて、ベーリンガー一族でない取締役を任命したのです。ベーリンガー一族とヴォン・バウムバッハ一族は、一般企業の監査役会に準ずる、株主会に在席し続けました。

また、研究開発を再構築し、既存の資源をより効率的に活用し、革新的な製品をより早く上市できる体制を整えました。

我々のビジョンである、「Value through Innovation - 革新による価値のクリエーション」を全面に打ち出し、社内に浸透させました。このビジョンは、ベーリンガーインゲルハイムの企業文化を作り、グローバル企業としての将来の方向性を示すものです。1994年秋に、インターナショナル経営会議が開かれた際、このビジョンが初めて共有されました。

以降、全世界でビジョンを紹介するイベントが開催され、グローバル全体でビジョンが共有されました。

「Value through Innovation」は、協力の精神を表しており、これからも社員を鼓舞し続け、個々の強みや個性を伸ばす人財育成を行っています。

これまでの方針「ビジョン&リーダーシップ」は、Lead & Learnに集約されました。価値は、革新を通じて形作られることこと、将来のチャレンジにどのように立ち向かうべきか、チームとして協業することの大切さが示されています。

上記の遍歴を重ねながら、ベーリンガーインゲルハイムは、数々の成功を収めてきました。

  • 複数の疾患分野にて、数々の重要な製品を上市しました。
  • 世界の拠点の中で、特にアメリカ合衆国と日本は、最も成功している外資系企業へと成長しました。
  • 研究開発は、ハイスループットスクリーニング(HTS)やウルトラハイスループットスクリーニングなど、革新的なテクノロジーによって進歩を遂げました。
  • マイクロシステム技術で有力なSTEAG AG Essen社より、マイクロパーツ社を買収しました。主として、レスピマット®ソフトミスト 吸入器を製造しています。
  • 2009年、ファイザー社とワイス社統合時に、ワイス社のフォートダッジ・アニマルヘルス事業の一部資産を買収し、アニマルヘルス事業を拡大しました。

1992年より2000年まで、アルベルト・ベーリンガーJr.の義理の息子エーリッヒ・フォン・バウムバッハ氏が、株主会会長を務めました。

2001年に、取締役会会長であったDr.ヘリベルト・ヨハン氏が、株主会会長を引き継ぎ2006年末まで務めました。

2001年より株主会の一員であったクリスチャン・ベーリンガー氏が、2007年に株主会会長に指名されました。

この時代の主要な出来事

1991年:フベルトゥス・リーブレヒト氏が逝去

フベルトゥス・リーブレヒト氏が、7月27日に逝去する

1992年:エーリッヒ・フォン・バウムバッハ氏が株主会会長に

1月1日、アルベルト・ベーリンガーJr.の義理の息子に当たる、エーリッヒ・フォン・バウムバッハ氏が、株主会会長に指名される。時同じくして、ヘリベルト・ヨハン氏が取締役会会長に指名される。BI史上初めて、ベーリンガー一族でない者がベーリンガーインゲルハイムの取締役会会長を担うこととなる。

1993年:医薬品事業拠点を1つの管理下に集約

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ドイツ医薬品事業の拠点であったインゲルハイムとビーベラッハの2拠点を、1つの管理下に集約する。後に、研究開発活動はビーベラッハに、バイオ医薬品を除く全ての生産はインゲルハイムに集約される。

 

1993年:分子病理学研究所(IMP)がベーリンガーインゲルハイムの完全所有に

ウィーンにある分子病理学研究所(IMP)が完全にベーリンガーインゲルハイム所有となる。

1995年:Combivent®の発売

イプラトロピウム/サルブタモール配合のCOPD治療薬Combivent®を、1995年に発売する。

1995年:研究開発費が、10億独マルクを超える

ベーリンガーインゲルハイム史上初めて、グローバル研究開発費が10億独マルク(5億1,000万ユーロ)を超える。社員数は24,277人に増加。

1996年:Alna®、Flomax®の発売

前立腺肥大症治療薬のAlna®、Flomax®を、1996年に発売する。

1996年:Mobec®の発売

関節リウマチを適応とした消炎・鎮痛薬モービック®を発売する。

1997年:ビラミューン®の発売

HIV/AIDSの母子感染リスク抑制に用いられるビラミューン®を、1997年に発売する。

1997年:ビ・シフロール®の発売

パーキンソン病治療薬ビ・シフロール®を、1997年に発売する。2006年には、むずむず脚症候群の適応症を取得する。

1997年:新コーポレートロゴを採用

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新しいコーポレートロゴをグローバル全体にて採用する。インゲルハイムの宮殿をモチーフにし、デザインがさらに洗練される。

 

1998年:Aggrenox®の発売

脳卒中治療薬Aggrenox®を、1998年に発売する。

1998年:ベーリンガーインゲルハイムKGとDr. Karl Thomae GmbHが合併し、ベーリンガーインゲルハイムファーマ に

ベーリンガーインゲルハイムKGとDr. Karl Thomae GmbHが合併し、ベーリンガーインゲルハイムファーマ が誕生する。

1998年:Boehringer Ingelheim Backmittel GmbHを売却

ベーキングパウダー部門のBoehringer Ingelheim Backmittel GmbHを売却する。

1999年:ミカルディス®の発売

高血圧症治療薬ミカルディス®を、1999年に発売する。

1999年:分子生物工学研究所(IMBA)の設立

ベーリンガーインゲルハイムとウィーンのオーストリア科学アカデミーが共同で、分子生物工学研究所(IMBA)を設立する。

2000年:Metalyse®の発売

心筋梗塞治療薬Metalyse®を、2000年に発売する。

2000年:ベーリンガーインゲルハイムセンターの完成

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インゲルハイムに新本社社屋となるベーリンガーインゲルハイムセンターが完成する。

 

 

2002年:スピリーバ®の発売

COPD治療薬のスピリーバ®が発売される。

2002年:原薬製造工場が竣工

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インゲルハイムに、1億8000万ユーロを投じた新たな原薬製造工場が完成する。

 

 

2003年:ビーベラッハにバイオ医薬品生産施設が完成

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バイオ医薬活性成分の生産施設がビーベラッハが完成する。単一の投資としては最高額の2億2,500万ユーロとなる。

 

 

2004年:マイクロパーツ社を買収

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マイクロシステム技術で有力なSTEAG AG Essen社より、マイクロパーツ社を買収する。社名をベーリンガーインゲルハイム マイクロパーツ社に変更。

 

 

2005年:Aptivus®の発売

抗HIV薬Aptivus®を、2005年に発売する。

2006年:ファミリー・フレンドリー賞を受賞

ベーリンガーインゲルハイムが、ファミリー・フレンド賞の、「仕事と家族」部門で認められ、ファミリー・フレンド賞を授与される。

2007年:クリスチャン・ベーリンガー氏が、株主会の会長に

クリスチャン・ベーリンガー氏が株主会会長に指名され、最高意思決定機関が創業者直系の子孫に16年ぶりに戻る。

2007年:ドルトムンドにある最新鋭の生産設備が完成

レスピマット®吸入器の生産能力を拡大するため、7億ユーロを投じ生産設備を拡大する。

2007年:サイエンス実施の調査で、ベーリンガーインゲルハイムがNo.1の雇用者に選出

サイエンス誌が実施したトップ・エンプロイヤー(優れた企業)調査2007で、ベーリンガーインゲルハイムが製薬・バイオ関連企業で最高の企業であるとの評価を受ける。

2008年:プラザキサ®の発売

新規経口抗凝固薬プラザキサ®を、2008年3月に発売する。

2008年:LogiPackセンターがインゲルハイムに完成

インゲルハイムに、4,900万ユーロを投じたLogiPackセンターが完成する。14ラインを有し、年間2億5,000万個の製剤パッケージ生産が可能に。

2009年:フベルトゥス・フォン・バウムバッハ氏が取締役会メンバーに

フベルトゥス・フォン・バウムバッハ氏が、取締役会に就任し、財務とアニマルヘルス部門の責任者に。フベルトゥス・リーブレヒト氏が1991年に没して以来、ベーリンガー一族が取締役会の一員となる。

2009年:PUROSの設立

5月6日、世界に革新的な抗凝固剤を供給するための生産拠点(PUROS)を操業開始する。この増築工事コストは6,400万ユーロで、ライン-ヘッセン地域にある、製薬会社の中で最も大きな金額を投じた。3つの複雑なプロセスを踏みながら、新製品の活性成分を含有するペレットを生産する工場から、60名の雇用機会を生み出す。

2010年:125周年を迎える

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2011年:PRAZAXA® (ダビガトラン エテキシラート)が心房細動患者の脳卒中発症抑制の適応で、Trajenta®(リナグリプチン) が2型糖尿病治療薬として、欧州にて承認を受ける

2011年8月4日:PRAZAXA®(ダビガトラン エテキシラート)が、半世紀ぶりの新たな治療法として、心房細動患者の脳卒中発症抑制の適応で、欧州にて承認を受ける。

2011年8月25日:ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニー(NYSE:LLY)が、2型糖尿病治療薬Trajenta® (リナグリプチン)の製造販売承認を欧州委員会より取得する。

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